2021年4月28日水曜日

墓じまい


 

寺の墓所にある観音菩薩立像です。

年代は分かりません。

上六から持ってきたものなので、少なくても江戸時代以前のものだと思われます。


最近、檀家さんで墓じまいをされる方が増えています。

事情はそれぞれですが。

墓のある場所が不便な所だとか。

確かに買った時は、眺めのいい場所だと思ってたのに、

年を取ってくると、坂道を登るのがキツくなってくる。

駅からの送迎バスも、便数がどんどん減り、今では一日2便、なんて例もあります。


もう一つの事情は、自分が死んだ後、墓を見てくれるものがいない。

立派な息子さんがいても、そうおっしゃいます。

不安なんでしょう。

難波寺に収めれば大丈夫、なんて、私もうそんなに生きてないですよ。

まあ、寺は有るだろうけどね。

どうなるのか分からない未来を不安に思い、先取りして不安を無くす。

生きてる間にと。

無理ないかな。

でもね、生きてる内ですよ。

自分の葬式はこうしてくれとか、墓はどうだとか言っても、

もう自分は死んでるわけで、生きてる者に任せるしか無いんですよね。

遺産を残しても、喜んでる遺族の様子は見れないわけで。

死ぬと、ものの見事に丸裸。

自分の、と思ってるもの全て、無くなります。

火葬にされたらお骨だけしか残りません。

仏教的に考えると、身体は火葬にされても地球上からは消えず他の生物の餌となり

存在します。

心も、生き残った人たちの無意識の中に残ります。

確か、ユングが言ってる、集合的無意識かな。

遺伝とは有るもので、血の濃い身内には親近感を持ちます。

この人は同じものを持ってるなと感じます。

閑話休題

墓じまいした、墓石は柱石以外は廃棄されます。

真ん中に立っていた先祖代々とか彫ってある石は廃棄しません。

さすがの石材店も廃棄するのが怖いんですね。

岡山のそんな石を受け付けてる寺の空き地には20000基の墓石が並べてあるそうです。

科学宗の信者さんも、こればっかりは駄目ですね。

そうですよ、科学も、立派な宗教です。

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