2007年6月2日土曜日

ひと (改定しました。)




写真は、大分前の妙心寺教化センターのリーフレットです。よくご覧になるとお分かりでしょうが、地藏さんの影が鬼に、鬼の影が地藏さんになっていますね。ひとは、みな同じなんだけど、外に見えるものが違うんです。良い人も悪いところを持ってるし、悪い人も良い所を持っています。地藏イコール鬼。人の根底にある心はみな共通項を持っています。アラヤ識とか無明と呼ばれています。ユングの共通的意識みたいなものだと思ってください。
先生をしてる人が、変わった犯罪で摘発されるのも、普段、自分は先生だからと、深層にある意識を抑圧し、心が悲鳴を上げ、鬱積したものが爆発するんではないでしょうか。
真面目に生きてきた人ほど、これは本当の自分ではないという、  心の奥にある、悪い・不真面目・残酷などの部分が、爆発しやすいようです。禅では、把住(はじゅう)と放行(ほうぎょう)ということを大事にします。把住は、真面目に引き締まっていること。放行は、羽目をはずすことです。
 修行中、僧堂で年に一度だけ行われる、冬夜(とうや)という日は、雲水たちが、無礼講と許可を得、思いっきり、羽目をはずします。それは、想像を絶します。でも、一夜限りです。翌朝は、午前3時に起き、笑顔も見せない、重苦しい修行の一日が始まります。
玄侑さんがおしゃってる「無節操」は、楽に生きるキーワードでしょうね。

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